愛は変わらず着いて行く

 

 

「ぜってぇ売れてやる」

 


Snowらいふ第68回で岩本さん、阿部くんの2人が20歳の頃を語る記事の中で岩本さんが「SnowManは誰をとっても覚悟の集まりだった」と言っているのを読んで1年前の9時間生放送中に発せられた冒頭の言葉を思い出した。


百度参り中の極限状態でこの言葉を呟いたのは他でもないわたしの担当、阿部くんでした。


佐久間くんが手を合わせている後ろを階段を下るために踵を返した瞬間にギリギリ拾えるか拾えないか際どいほどの音量で発せられたその一言。間違いなくあの日、わたしは阿部くんの覚悟を見た。

 


デビュー発表から実際に1月22日を迎えるまでの数ヶ月間、異例の2組同時CDデビューということもあり世間の注目を浴び、クイズ番組では軒並み祝福を受ける阿部くんの姿を目にした。MCのタレントさんがデビューまで15年かかったことに驚く姿も、それに辛い顔ひとつせず長かったですと笑顔で返す阿部くんの姿も何度も見た。

 

SnowManとしても阿部くん個人としてもテレビ露出が多く、連日のように新しいお仕事や雑誌の掲載情報が更新されて目まぐるしい毎日だった。2D.2D.で各メンバーが語ったような、Jr.時代に投げかけられた心ない言葉の数々は阿部くんにもきっと突き刺さっていただろうに、わたしが知っているのはデビューを控えた自信と緊張との入り混じった優しくも頼もしい阿部くんの笑顔だけだった。密かに向けられた悪意の声を背中に感じていたその頃のSnowManのことはなにひとつリアルタイムで目撃していないので全てわたしの想像でしかないけれど、阿部くんを知れば知るほど阿部くんがそれらを乗り越えられる人だと強い確信を得た。もちろん実際に乗り越えられた事実があるからこその確信ではあるのだけれど。負けん気が強くて我慢強く物事に集中できる人で、何より一度決めた覚悟をきちんと胸に刻ませることの出来る人。

 


ジャニーズJr.内のグループSnowManの一員としての覚悟、そしてSnowManとしてデビューする覚悟。前者はMyojoの一万字インタビューでも読み取れるようにインテリという武器を手に出演したクイズ番組で一問でも多く再会して"阿部亮平SnowMan)"というテロップを長く表示させることに表れていた。実際にわたしが阿部くんを特別に意識する前からクイズ番組で刷り込まれていたと思うと、無意識下にわたしは阿部くんの覚悟を受け取れていたとこうして数年後に気が付けていることが嬉しい。そして後者は9時間生放送中に発せられた「ぜってぇ売れてやる」の一言。あの日、わたしはこれ以上他の言葉なんていらないくらい阿部くんの覚悟を受け取れた。

 


わたしは、阿部くんの芯が強いところが好き。でも根っこの部分はネガティブなところもあるけれど、それを受け入れた上で小さなきっかけひとつでポジティブに受け入れられるところが好き。実はちょっと頑固なところも好き。真っ直ぐなところが好き。それスノで面接を受けているときに面接官の人の顔色を伺うのも忘れて自分の考えをとにかくアウトプットし続けてしまうくらいクリエイティブで真っ直ぐが行きすぎてバカ真面目なところも好き。こっちが照れ臭くなっちゃうくらい甘い言葉をくれるところも好き。突然よくわからないことをし始める自由奔放で元末っ子感が出るところも好き。笑う時結構豪快に手を叩くところも好き。何か食べる時の一口が案外大きいところも、食べたらいつもすぐ手をパーにして当てちゃう仕草も好き。食レポが的確なところも好き。MCをすると高確率で声が裏返っちゃうところも好き。器用なようで案外不器用なところも好き。スタッフさんにビックリされるほど身体が硬いのにアクロバットをこなすところも好き。突然キレ芸するところも好き。ゆり組に狂ってるところも好き。あざとい警察に捕まるってわかってるのにマルチアングルでずるいことしちゃうところが好き。メンバーには案外言葉遣いが悪いところも好き。いつも幸せにしますって言い切ってくれるところが、大好き。

 


阿部くんの覚悟をみたあの日から、1年が経った。この1年は驚くほど早くもありその中に永遠のようにも感じる瞬間があって、そこには必ず阿部くんがいた。この先もきっと阿部くんはわたしたちの前でずっと百点満点の笑顔でステージに立ち続けてくれると信じてる。でもその一方で自分を出すのが苦手な阿部くんがもっといろんな表情を自らわたしたちに見せてくれるところが見れればいいな、と贅沢な願いもここに置いておきます。


わたしは阿部くんとならどんな世界でも見に行きたい。阿部くんの覚悟をみたあの日から1年後の今日、これはわたしの覚悟です。これからもっと輝くSnowManの中で阿部くんが眩い光を放ち続ける日々でありますように。

 

 

 

一歳




何から書いていいかわからないくらい、この1年間わたしの生活の中には常にSnowManがいました。


1年前の今日、デビュー日という大切ないちにちに立ち会えたことも、今日この日を迎えられたことも、きっとどちらも当たり前ではなかったと思います。


なにかタイミングが違えば、わたしの人生と彼らの人生が交わることなんてなかったかもしれない。SnowManを好きになって、嬉しいことや楽しいこと、たくさんの幸せを貰って、抱えきれないほどの愛を受け取って、もちろん悲しいことや辛いこと、悔しくて寂しくて堪らない夜だってあったけど、SnowManを知らずに生きるよりも、どんな道のりだろうとSnowManに手を取られながら乗り越えて歩んでいく人生がいい。



生きていれば会える。今までの当たり前が一切通じなくなってしまった現状で、アイドルからファンへ向けてそう発信された言葉の力強さは計り知れない。未知のウイルスの存在にも、心ない人間の多さにも、どんな状況でも人と接しながら仕事をしなければいけない現実にも、とにかく疲れ切ってしまったけれど、とにかく今は健康に、生きることを頑張ろうと思えるのはSnowManがいたからです。佐久間くんがあの日放った「生きてたら絶対会えるから、一緒に会おう」という魂の叫びは、きっと多くの人の心に響き、多くの人を救ってくれたと思います。アイドルって、ヒーローだ。ね、阿部くん。



アイドルという存在も、この先の世の中も、なにひとつ未来に約束されたものなんてないし永遠も絶対も、そんなものはないんです。痛いほど知っているし、当たり前だったはずの日常を取り戻すのにどれだけ時間がかかるかはわからないけれど、SnowManとなら乗り越えられるはず。こんな時代だけど、こんな時代だからこそ、SnowManがいてくれてよかった。そう強く感じた1年間でした。


どれだけ今が辛く苦しく、ドン底にいたとしても、時は過ぎる。いつか振り返った時にも「あの時SnowManがいてくれてよかった」って、今ときっと同じことを言うと思う。それだけこの1年、とにかくSnowManの存在が大きかった。




去年はこの日は有給をとり、今年は資格試験を受けてから時間休をいただいたので人混みを避けつつケーキと薔薇の花を一本購入しました。来年は土曜日だから有給の心配はナシ!と確認済み。薔薇は来年には二本、再来年は三本、と増やしていければいくつもりです。花束になる頃には、きっとYouTubeの企画でやったみたいにみんなかっこいいおじいちゃんになってるのかもしれないと思ったら同じだけ自分も歳をとっていくけどそれも悪くない気がする。





1年目、"初"をとりにいきたいと語ったみんながまだ誰も足を踏み入れていない雪景色に9人横並びで一歩を踏み出したり、それぞれの個性を活かした九者九葉の足跡を残したり。これからもわたしたちが想像もつかないようないろんな"初"をたくさん獲得して、色鮮やかな景色を楽しんでください。わたしはSnowManとだったら、どこへだって行きたい。この手は絶対に離しません。



2021.01.22 



2年前の手紙


2年間出せずにいる手紙がある。困惑や寂しさ、ある種の怒り、そしてありったけの恋心を詰め込んだまま封かんしたきり、宛先も書かず、切手も貼っていない。正直詳しい内容は思い出せなくなってしまった。開けようとするとあの頃の新鮮で敏感すぎるわたしの気持ちがそのまま飛び出してきそうで鋏すら入れられない。捨てようとするとあの日のわたしが「そうやって忘れようとするの?」と問いかけてくる。




「初恋の人にそっくりな人を見つけた」


あとで見せるね、と高校時代の親友に話した電車の中で、彼の訃報を知った。



その時はとにかくわけがわからなくて、そのまま親友とご飯を食べた。その夜 実家から下宿先へと戻る新幹線の中で急に涙が止まらなくなって窓際の席でひとり声を殺してひとしきり泣いた。


あまりにも信じられなくて、なのに勝手に涙が出てくる日々が1ヶ月ほど続いた。インフルエンザになってもなお食欲の減退しないようなわたしが食欲不振で3キロほど体重が落ちた。毎晩布団に入っては彼がいない1日が当たり前のように終わってしまうことに絶望した。


彼の死に関して詳しいことが公になる前の心ない言葉の数々に吐き気がした。まだ受け入れられていないわたしが勝手に寒々しく受け取ってしまっていた彼への感謝の言葉に嫌気がさした。受け入れてしまうことがわたしの中の彼を葬ってしまうことになると思っていた。


わたしは彼の声が好きだった。特徴的な笑い方も大好きだった。そんな彼の最後の言葉がきっと、彼の友人に向けられた「助けて」という声だったのであろうと想像しただけでやるせ無い気持ちで眠れなくなった。明るい未来や美しい異国の景色を捉えていた彼の瞳が最後に捉えたものが自分を飲み込む渦だということを信じたくなかった。いつまでも、不謹慎でいいからドッキリであってくれ、どれだけ炎上してもいいから神妙な顔して頭でも丸めてまた現れてくれ、と誰にも言えずに身勝手に飲み込んだ。



彼の友人たちがわたしたちが知り得なかったことを少しずつ丁寧に教えてくれて、本当なら教えたくなかったようなことまで見せてくれて、ゆっくりと彼がいないという現実を頭に擦り込ませた。



行かなければ絶対に後悔するよ、と友人に背中を押されてお別れの会に足を運んだ。


しっかりとした喪服とまではいかないけど、ありったけの黒を纏って東へ向かった。啜り泣きが聞こえる会場内をゆっくりとひとりで歩いた。彼が存在していた証を横目に彼のメンバーカラーであり、トレードマークの髪色と同じ赤いガーベラを手向けた。手を合わせて目を瞑る。たった数秒、彼へ伝えたいことは山程あるはずなのに、とにかく幸せでいてほしいと願った。鼻がツンとして、タガが外れたようにとめどなく涙が溢れた。


足早に会場の外に出て、立ち止まって深呼吸をして、涙を乾かした。友人に肩を支えられながら歩いていく女の子がわたしの横を通り越していった。どんよりとした曇の隙間から少しだけ西日が差し込んできて、急にスッキリとした気持ちになった。会いに行って良かったと、心の底から思った。





永遠に22歳のあなたへ。


わたしは大学を卒業して社会人になったよ、パオチャンが活動休止したよ、平成から令和になったよ、消費税が10%にあがったよ、アルバム最高だったよ、タピオカブームは落ち着いたよ、4人のTwitterに公式マークがついたよ、わけのわからないコロナウイルスとかいうのが流行ってるよ、あなたが好きだった渋谷の街から人が消えたよ、総理大臣が変わったよ、ジョージとリサさんが結婚したよ、ディズニーの新エリアが完成したよ、水ボンが毎日投稿を辞めたよ。


今でもあなたのことが好きだよ。

本当はあなたのいる平成にいたいし、あなたと同じ22歳のままがいい。けど、止まる術なんてなかった。


そういえば、故人を懐かしんだ時、そちらではその人の周りに花が降るって聞いたことがあるんだけど、実際のところはどうですか?この前あなたの親友が新しい曲を出していたのだけれど、もしかしたら四六時中花に囲まれていてたりしたのかな。わたしがあなたを思い出したときは、あの日のあなたに手向けた赤いガーベラがあなたの元に降り注げばいいのになぁ。




アバンティーズ エイジくん
今もあなたの幸せを祈ります。




2021.01.04

最後にしたいと思った最初の人





もう泣きたくなかったし、好きな人が泣いている姿を見るのも嫌だった。



そんな時に現れた阿部くんは、「幸せにするよ。」と断言してくれた。彼が2D.2D.オーラスを始め、様々な媒体で言及するように、アイドルはヒーローだ。わたしにとって阿部くんは紛れもなくわたしを掬い上げてくれたヒーローに違いなかった。


アイドルで散々泣いた先でアイドルに救われてしまうのだからつくづくわたしというオタクというのは単純な生き物だと思う。




誤解を恐れずに言うと、阿部くんを好きになる過程でぼんやりと「この人はわたしを不幸にしなさそうだなぁ」と思った。オタクを不幸にするアイドルなんてもちろんいないはずだし、決してSnowManの他のメンバーを好きになったら幸せじゃないというわけではなく、あくまでわたしの精神衛生上の話である。これは個人の感覚であり、ざっくり言うと相性が良いとも言える。



わたしはアイドルっぽいアイドルが好きだ。



アイドルはみんなアイドルであるので、アイドルっぽくないアイドルとは?と聞かれるととても困るのだけれど、阿部くんのことを知っている人ならわかってくれると思う。阿部くんはアイドルっぽいアイドルだ。


阿部くんを好きになったと言ったとき、今までのわたしを知っている友人は皆口を揃えて「わかる」と言う。一度も意外がられたことはない。



実際自分でも阿部担でいることがあまりにも自然体すぎて本当に心地良いのである。





2D.2D.の配信をみて、どうにも涙が止まらなくて、メンバーの涙をみてさらに泣いて。涙で滲む視界の中には微笑む阿部くんがいて、こういうとき、阿部くんって笑顔で立っていられる人なんだな、と知った。

きっとこの先、コンサートの挨拶でJr.時代の話をすることなんてもう殆ど無くて、周年を重なるごとにそういった話題に触れられることもなくなるのだと思う。人一倍長かった、人生の半分以上を占めるJr.時代の話をすることなく笑顔で将来の話をする阿部くんの姿に、全てを投げ捨ててこの人だけを見ていたいと思ってしまった。「伝説の第一歩です」「この場に居合わせたことを誇らせてみせます」「この手は離さないでください」阿部くんのくれる言葉はあまりにも力強くて、説得力があって、絶対も永遠もないって痛いほど知っているはずなのに全てを懸けてみたいと心から感じた。彼の見つめるカメラの奥には空っぽの客席しかないはずなのに、阿部くんの瞳には熱が宿っていた。




クイズ番組でずっと見ていたはずの阿部くんが正式に(?)担当となり、実際にアイドルとしての阿部くんをこの目で見れたのは2019-2020のカウコン一度きりで、あとは何もかもが画面越しだけど、この1年間とにかく阿部くんに心を奪われ続けた。


「もっと早く出会いたかった」はオタクの口癖あるあるだと思うけど、わたしは阿部くんが自分がアイドルとして生き残るための武器で獲得したクイズ番組をきっかけに出来たのは案外悪くないな、とも思う。もちろん阿部くんがいちばん輝くのはステージの上だけど、阿部くんの個性が最も輝くクイズ番組で阿部くんに出会えたことが本当に嬉しかった。



きっとこの先いろんなことがあるのだろうけど、わたしは自ら阿部くんの手を離す気なんて微塵もなくて、そんなことを言ったら阿部くんはいつもみたいちょっと眉毛を下げて笑ってくれると思うし阿部くんこそこの手を離さないでね、って言ったらきっと「離さないよ。」ってこの手に力を込めてくれるんじゃないかな。